ひでよしのおはなし

大学生がどうしてもしたい話をするだけです。

なろう作品とは真逆を行くライトノベルとはなにか

突然ですが、みなさんは小説家になろうというサイトはお使いになられてますか?

私は使っていません。ですがなろう発のライトノベル作品が数多くアニメ化しているのは知っています。この素晴らしい世界に祝福を!オーバーロードなど、面白い作品も多く、これが新しい時代のライトノベルなんだなあとなろう作品のアニメ化を聞くたび感じています。

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さて、そんななろう作品ですが、現在では殆どの作品が異世界転移」異世界転生」をテーマにした作品になっているのも大きな特徴ですね。先程名前を挙げたこのすばやオーバーロードも括りで言えば異世界転生と異世界転移になるでしょう。最近では異世界はスマートフォンとともに。がいろいろな意味で大きな話題になっていますし、現在ではデスマーチからはじまる異世界狂想曲がアニメ化されています。今なろうのランキングを見るとほぼ全てが異世界転移・転生モノです。異世界転移・転生の文字を見たらなろうを疑え」というのは現代の諺と言っても過言ではないといっていいくらいなろうでは異世界転移・転生モノがはびこっています。そのような状況を見ていると私はいつもこう思うのです。

 

……そろそろお腹いっぱいじゃねえ?

 

いや、別に異世界転移や異世界転生について悪く言いたいわけではないんです。ですが、もういい加減異世界に行き過ぎてほとんどの職業・テーマが使われてしまったのではないでしょうか。もう異世界に連れて行く神様も「こいつらどんだけ人助けてトラックに轢かれんだよもっと交通ルール整備しろよ……」とか思ってると思います。そろそろ異世界転生しようとしたら神様が「もう疲れた!俺お前を異世界転生させない!!」って駄々をこね始めるなろう小説が出かねません。

このままでは「なろうは異世界転移・転生の作品しかないので飽きる」というイメージが付いても仕方ない状況です。というか割りと付いてる人も多いかもしれません。この状況を打開するためにはどうすればいいかを、私は昨日の午前4時にパワプロで自分の騎空団の団員を投手にしながら考えました。そして思いついたのです。

 

「もういっそのこと完全になろう小説のテンプレ設定とは真逆を行ってみよう」

 

たぶんなろうに飽きた人はみんな考えると思います。そしてみんな自分は書かないで机上の空論だけ語ってるやつです。まあ長期の休みに入って暇なのでこの際ここでテンプレと真逆になるとどうなるか考えてみましょう。

 

テンプレ① 異世界に転移・転生する

大前提です。つまり今回のルールに従うと異世界転移・転生は禁止」ということになります。それに付随して「神様がすごい力をくれる」という設定も禁止にします。神にすがっていてはいつまでも主人公が成長しません。

 

テンプレ② 主人公は引きこもり・ニート

これもテンプレですね。引きこもりの主人公が偶然外に出た時に人を助けてトラックに轢かれて死ぬまでがなろう異世界転生RTAのチャートの一つと言っても過言ではありません。また、引きこもりの主人公がネットゲームの世界に転移する設定も多いですね。よって今回は「主人公は引きこもらず、仕事あるいは学生として生活をしている」ということにしましょう。実は学生もなろうのテンプレに入れるべきか迷いましたが、学生はやはりラノベ全般の基本ルールみたいな部分があるのでセーフにしました。

 

テンプレ③ 主人公はコミュ障

なろう作品の主人公はほとんどがコミュ障です。まあ確かになろう作品を見るのがオタクなのでオタクにしたほうが感情移入しやすいのは当然の帰結です。しかし、生前コミュ障オタクだった人間が異世界に転生して突然多くの女の子と会話できるでしょうか。残念ながら現実というものは甘くありません。異世界に転生したとしてもコミュニケーションにおいては元の世界と同じであるはずです。その場合、本来ならコミュニケーションが取れない主人公では初対面の女性との会話などおそらく無理です。物語開始後すぐそのような些細な問題で躓いていてはRTAを再走になってしまいます。よって今回は「主人公はコミュニケーション能力が一般レベルにはある」ということにします。

 

テンプレ④ 主人公は多数のヒロインとハーレム状態

させません。ただでさえ物語上大事なポジションであるヒロインを無駄に増やして物語の本筋と関係ないところで時間を潰されるのはB級映画で主人公と友人が無駄な会話をして尺を伸ばすのと同じです。今回は「主人公のことを好きになるヒロインは多くて2人」ということにしましょう。

 

テンプレ⑤ 主人公は登場時点ですでに強い

やめましょう。自分から物語を作る上で重要である「成長するプロセス」を削ってしまうのは勿体ありません。確かに俺TUEEE系の作品は主人公が敵を倒してかっこいいセリフを言って事件を解決させれば全てキレイに片付くから楽かもしれません。しかし、その強さには重みがありません。あくまでも「そういう設定だから強い」というだけです。自分の作ったキャラが多くの人に長い間愛されるためには、「キャラの成長を読者が一緒に見守っている」「そのキャラが強くなった過程を知っている」ことにあると思います。よって、「主人公が最初から強いのは禁止」とします。

 

さて、ある程度テンプレを出したと思うので、ここで出たルールをまとめます。

異世界転移・転生しない」

「神様禁止」

「主人公は引きこもらず、仕事あるいは学生として生活をしている」

「主人公はコミュニケーション能力が一般レベルにある」

「主人公のことを好きになるヒロインは多くて2人」

「主人公が最初から強いのは禁止」

この条件を踏まえた上で、どのような作品ができるのか考えてみましょう。

 

「学生である主人公は、友人たちと協力して戦い、二人のヒロインの間で悩まされながら、少しずつ強くなっていく」

 

こうして見ると、少し前の時代の商業ライトノベルやマンガのような内容になりました。こうやって見ると、なろう作品は、逆に少し前まで増えていたライトノベルのテンプレの逆を進んでいるのではないでしょうか。私は「なろうの逆を行けば逆に人気が出るのではないか」と思いましたが、実際には「商業ライトノベルのテンプレ設定が使いまわされたので、その逆を狙う形でなろうでは異世界転移・転生モノがウケた」と思えるような結果になりました。商業のライトノベルとなろう作品でうまく住み分け出来ているようにも見えますね。やはりなろうでは異世界転移・転生が向いているんですね。今回は、異世界転移・転生でお腹いっぱいになったら商業ラノベを読もう 商用ラノベのテンプレでお腹がいっぱいになったらなろう作品を読もう」ということで今回のお話の締めとさせていただきます。

 

ところで、「学生である主人公は、友人たちと協力して戦い、二人のヒロインの間で悩まされながら、少しずつ強くなっていく」という作品、私はどこかで見たような気がします。どこかで、まるで大切な記憶のような……自分の人生に大きな影響を与えたような……

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いや、なんか思い出せないですね。ということで今回はここで終わりにしようと思います。みなさんもバカとテストと召喚獣読んで下さい。